研究テーマ仮説

ソーシャルニーズの創造ピースフル・デス

ロボットを活用した
“つながる”しくみで安らかな最後を

高齢者のひとり暮らしが当たり前に

超高齢社会には、治療や介護を必要とする高齢者のひとり暮らしが、ごく当たり前の風景となっている。ここでは、疾病を持ち身体機能が低下した高齢者が独力で生活をしながら、残された時間を有意義に使い、安らかな最後が迎えられる未来のシーンを想定。例えば、近い将来には、がんの進行による身体的な痛みは、今よりずっと簡単な方法で副作用もなく、ほぼ痛みが消え去る状態まで抑制されていく。独居高齢者が今まで通り自宅で生活することに大きな支障はなくなり、人に迷惑をかけず自分の力で残りの人生を楽しむことができるようになる。

“孤立”が心の痛みを増大させる

それでも病状が進行するに伴い、外出が困難になってくると、自らの意思で人との対話ができなくなり、社会とのつながりが途絶えて“孤立”。社会的孤立は、身体ではなく心の痛みを増大し、生きる意欲も後退させるため、自死や周囲を巻き込むトラブルを起こすなど、“安らかな最後”からはかけ離れていく。社会的孤立の引き起こす社会課題は看過できないものとなる。

ロボット経由の対話で自然な交流を実現

この社会課題解決には、安らかな最後のための新しいケア、つながりのしくみが求められる。それは、仕事に就いていない(就けていない)潜在看護師や介護士、ボランティアらが有効活用できる、遠隔地のテレプレゼンスロボットによるケア・コミュニケーション技術だ。遠隔地にいる専門コミュニケーターが、テレプレゼンスロボットをコントロールして高齢者の心の痛みを解消していく。ロボット経由だが、まるで本当に自宅に人が来て対話しているかのごとく自然な交流を実現、孤立した高齢者の心の安寧をはかり、最終的に安らかな最後につなげる技術・システム。これがソーシャルニーズ「ピースフル・デス」である。

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