SINIC理論
オムロンが経営の羅針盤とし続けてきた未来予測理論「SINIC理論」現在進行中の「最適化社会」のカオスを超えて「自律社会」が、さらに「自然社会」の到来が。
SINIC理論は、科学・技術・社会の相互作用を基盤とした未来予測理論です。科学が技術の種(Seed)となり、技術は社会を革新(Innovation)していきます。一方、社会は技術に新たなニーズ(Need)を与え、技術はその社会的価値によって、さらなる科学の発展に刺激(Impetus)を与えます。これらが円環的(Cyclic)に発展するのです。現在進行中の「最適化社会」は大転換の時代です。それを越えた先の2025年から「自律社会」が始まります。さらに、その先にはハイパー原始社会とも言える「自然社会」が待っています。SINIC理論を社会と共に活かし、共感の輪でポテンシャルをさらに掘り起こし、よりよい社会、よりより地球の未来可能性につなげていきます。
SINIC理論の進化
SINIC理論は、オムロン創業者の立石一真が中心となり、中央研究所長などのメンバーによって構築され、1970年の国際未来学会議の場で発表しました。今から半世紀以上前の未来予測であります。現在進行中の世界的なカオス状態を「最適化社会」(2005年~2025年)という大転換の時代と位置づけており、その予測と現実世界の一致から、近年、世界中から注目を集めるほどとなっています。そこで、SINIC理論を基盤とした未来研究を進めるHRIとしては、この未来予測のアップデートの必要性を検討し、2025年以降の世界を予測するためのSINIC理論の進化を、国内外の気鋭の研究者、実践家、経営者のみなさんの意見をいただきつつ、研究活動の中心に据えて取り組んでいます。
未来社会の解像度アップ
50年以上前には、目前に迫った「情報化社会」のイメージを具体化することに注力したため、SINIC理論の最適化社会以降の社会生活のイメージは、コンセプトの提示にとどまっています。そして今、いよいよ目前に迫ってきた「自律社会」、さらには「自然社会」の解像度を上げる必要が増しています。HRIでは、来るべきSINIC理論による未来の社会生活・科学技術のイメージ解像度を上げて具体的に示すべく、未来の中核世代であるM・Z世代との共創により、研究活動を進めています。
自律社会のソーシャルニーズ創造
オムロンのミッションは、一言で言えば「よりよい社会をつくる」ことです。そのために、未来社会をいち早くとらえ、イメージを具体化して、その社会に新たに生じるニーズ、まだ見えていない課題を想像して創造します。この活動は、オムロングループ内にとどまらず、SINIC理論をオープンソースとして、社内外の共感者と共に、それぞれのドメインを定めて進めていきます。