子どものころ、「『美術』の時間が苦手」と思ったことのある人は少なくないのではないでしょうか。「上手でなくていい、自由に、感じたままを描きなさい」と言われても、白い紙を前にすると手が止まってしまう。「ちきゅう ぐるぐる」には、そんな背中を「ぽん」と押してしまう、不思議な工夫がつまっています。
「音のかたち」というテーマでは、大小のひらがなの「ハンコ」を、逆さまにしたり、濃くしたり、薄くしたりしながら押していくことで、まるで音が目に見えているかのような、いきいきとした作品がうまれています。
子どもたちの作品の魅力はもちろん、その可能性を鮮やかに引き出していく、著者の腕前にもはっとさせられる一冊です。