レジリエンスの低下

ハザードや脆弱性の情報・評価未公開

個別社会課題

津波、原発等のリスク発生後の情報が行政や国民に的確に伝達されず、対応行動に遅れが生じることで、多くの犠牲を招く

ソーシャルニーズ

人命を救うためにリアルタイムかつ正確な情報入手を可能とする技術・システム

ビジネス事例

リアルタイム被害推定・状況把握技術(防災科学技術研究所)

リアルタイム被害推定・状況把握技術とは、防災科学技術研究所を中心とする最新の観測・解析技術を基盤とし、地震、津波、豪雨、火山等を対象に、迅速で的確な災害対応を支援するためのシステム。
防災科学技術研究所は観測データ、地下構造・建物・人口モデルから地震等によるリアルタイム被害を推定、他機関の情報も取り込んだ被害推定・状況把握システム及び各情報を自治体の災害対応等に活かす利活用システムを担当。
理化学研究所は高分解能な構造物の被害推定技術。
宇宙航空研究開発機構は衛星観測データから被害情報抽出。
国土技術政策総合研究所はインフラ施設の迅速な状況把握と意思決定を支援するシステム。
東京大学・防災科学技術研究所・産業技術総合研究所は火山ガス等のリアルタイムモニタリング技術をそれぞれ開発している。
各所情報から迅速かつ正確に、リアルタイムの状況把握を行う。

都市交通の機能不全

移動手段の安全性、快適性の欠落(1)

個別社会課題

高齢者が快適に目的地まで到着できる交通機関が近くにないため、閉じこもりがちになる

ソーシャルニーズ

交通機関を問わず目的地への最適な移動手段を提示、予約決済もその場で簡単に出来る、高齢者の外出を後押しする仕組みの構築

ビジネス事例

Whim(Maas Global社)

「Whim」は、フィンランドのマース・グローバル社が提供する交通サービス。
タクシーやバス、電車などの公共交通機関を複数組み合わせた形で予約から決済まで可能とする。月額料金で全ての交通サービスが乗り放題となるため、自家用車を持たなくても、シームレスで効率的・自由な移動を実現する。
アプリに目的地を入力すると、様々な選択肢から組み合わせた最適な移動手段が提示され、出発時刻、到着時刻の案内をしてくれる。
自家用車同等のシームレスな環境を生み出し、車がなくても鉄道、バス、タクシーなどの組み合わせによりどこにでも自由に行けて、料金も個別に支払う必要のない快適さが、車がなくて外に出かけることを躊躇している人にとって最適なサービスとなる。
ただし、「Whim」の仕組みを構築するためには、フィンランドのように、政府が率先してエコシステムを築いていく必要がある。

都市交通の機能不全

移動手段の安全性、快適性の欠落(2)

個別社会課題

過疎化する地方都市では、高齢者が外出する際の移動手段がなくなり、医者にも通えない状態となる

ソーシャルニーズ

交通機関がなくても、自宅から目的地までネットで呼び出して簡単に車で送ってもらえるライドシェアシステム

ビジネス事例

配車システム(ウーバー)

Uber(ウーバー)は、米国ウーバーテクノロジーズが運営する自動車配車システム(ウェブ&アプリ)であり、世界70カ国・地域450都市以上で展開中。
移動したい人と、タクシーや一般運転手などをマッチングする「ライドシェア(相乗り)」の先駆けとして、利用者が配車アプリ「ウーバー」の地図で出発地と目的地を指定すると、近くにいる運転手が迎えに来るしくみを構築。
交通機関がない場所や、タクシーが走っていない場所でも、アプリで簡単に車を呼び出すことが可能となる。
また、移動目的に応じた最適な移動手段の提供として、医療目的であればバイタルセンサ付の車、買い物目的であれば、バンや冷蔵機能付きの車など特化した車両も稼働している。

生活インフラの老朽化

事故災害リスクの増大

個別社会課題

長期にわたり補修していない道路や橋が増加し、老朽化により突然崩壊する事故が多発する

ソーシャルニーズ

様々な場所に状態を計測するセンサを設置し常時モニタリングすることで、経年変化からの崩落リスク等を事前に予測する技術・システム

ビジネス事例

橋梁モニタリング(オムロン ソーシアルソリューションズ

橋梁モニタリングは、橋の様々な場所に計測用センサーを設置し、得られたデータをモニタリングすることで、構造物に対する地震の影響や劣化診断を遠隔から把握するシステム。
高度成長期に一斉に建設された橋梁や建物などの構造物が50年以上経って老朽化が進んでおり、その健全性を維持・管理していくことが社会的課題となっている。課題解決に向けては、老朽化・自然災害などによる構造物の状況変化を適切に把握し、補修・メンテナンスをしていく必要がある。
OSSでは、複数のセンサー端末(センサーノード)で、加速度の他ひずみや傾斜、温度や湿度などを測定し、得られたデータを橋のたもとに設置した基地局に無線で送信・集約。遠隔地にあるサーバに送信してデータを分析するシステムを開発した。
橋梁モニタリングは、単に人の点検作業を代替するのではなく、これまで計測できなかったさまざまな物理量を捉えることで、橋梁の維持管理に留まらず、防災など幅広い分野での活用が想定されるシステムとなっている。

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