人材不足・スキル不足

人間の作業と同等以上の生産性実現が困難(1)

個別社会課題

ノウハウや知識を引き継ぐ人がいないため、事業が継続できない

ソーシャルニーズ

エンドユーザーがプログラミングレスでロボットを動作させることができるシステム

ビジネス事例

ロボットの見まね学習技術(ATR)

ATRのロボットの見まね学習技術 は、店員がロボットにしてほしい仕事を現場で実演することにより、ロボットは動きを計測するセンサやマイクで、来店者に対する店員の位置・動き・発話内容・声かけのタイミング等を自動的に学習、店員と同じ働きをさせることが出来る技術。
様々なロボットの普及により、ロボットに接客、広告・宣伝などを店員の代わりに行わせるニーズが高まっているが、ロボットを動作させるためには、ロボット動作のプログラミングが必要であり、開発者が、現場での動作内容を把握しなければならない。そのため現場との連携等で時間とコストがかかり、導入の妨げとなっている。
現場の店員がロボットに直接仕事を見せるだけで、煩雑なプログラミングは一切必要なく、利便性の向上や、導入コストの低減化を実現。

人材不足・スキル不足

人間の作業と同等以上の生産性実現が困難(2)

個別社会課題

対象物や設備の変更、追加があるたびに、調整作業やティーチングが発生し、人手が必要になる

ソーシャルニーズ

対象物や設備へのティーチングを一度行うだけで、対象物/設備の変更や追加に伴う調整やティーチングが不要になる技術・システム

ビジネス事例

イミテーションラーニング(米:Embodied Intelligence)

Deep learningやImitation Learningなどの手法を用いて、ロボットに観察・実験を繰り返させ、ロボットの学習効果を効率化することで、素早く学習させて熟達に近づけさせる技術。
UC BerkeleyのPieter Abbeelと学生で設立されたベンチャーが、学習技術だけでなく、VRを応用したティーチングも開発しており、容易なティーチングや、新しいスキルの効率的な学習を通じて、ロボットの適用を素早く行うシステムを構築している。
アプリケーションとしては、電子部品の組み立てや、ワイヤーハーネスの組み立てなど、製造業から、衣服の折り畳みなどのサービス業まで検討している。

人材不足・スキル不足

多様な働き方の実現が困難

個別社会課題

子どもを預けることができない保護者が、仕事をもって活躍することができない

ソーシャルニーズ

職場からキッズスペースが見えて、子供の状態に応じて離席、希望シフトが可能な受託業務システム

ビジネス事例

子供の隣で働けるワーキングスペース(ママスクエア)

ママスクエアでは、ワーキングスペース、親子カフェスペース、キッズスペースを1か所に設置しているため、子供を連れて出勤し、隣のスペースにいる子どもの姿を確認しながら安心して働ける受託業務システム。
また、仕事の合間に幼稚園へお迎えに行き、子どもを連れて戻り、さらに夕方まで働くなどの柔軟な勤務形態が可能。

人材不足・スキル不足

スキル習得が困難(1)

個別社会課題

暗黙知の部分がスキル継承されず、その工程の作業ができない

ソーシャルニーズ

作業中に意識していない熟練者の視線(見ている場所と見る順番)を抽出し、他の作業者に伝えるシステム

ビジネス事例

VR学習システム「mcframe MOTION VR-learning」(東洋ビジネスエンジニアリング)

「mcframe MOTION VR-learning」は、視線追跡機能付きヘッドマウントディスプレイ(HMD)と360度(全方位)カメラを使った仮想現実(VR)学習システム。
HMDを装着した熟練技術者が作業を行い、確認ポイントやタイミングなどを設定、教材を作成する。
学習者は、熟練技術者のノウハウが詰め込まれた教材を再生・演習することで、確認しながら学習を進めることができる。
教育担当者は、学習者の視線の動きを、その順番、所要時間の情報をもとに熟練技術者の手本と比較することにより、学習成果の評価をすることが可能。

人材不足・スキル不足

スキル習得が困難(2)

個別社会課題

暗黙知の部分がスキル継承されず、その工程の作業ができない

ソーシャルニーズ

高度技能者が持つ「匠の技」を数値化して、機械化・自動化を実現する技術・システム

ビジネス事例

デジタルものづくり(オリンパス)

センシング技術、データ処理・解析技術、アクチュエーション(運動系)技術を活用し、加工条件を定量化することで、手作業でなければ不可能だった高度な組み立てを自動化したのが、オリンパスのデジタルものづくり。
光学系を構成するレンズは、製品性能を左右する重要な部品で、昔から同じ原理で加工、調整され、長い間、高度技能者の知識と技能に依存してきた。
加工中のレンズの姿勢が一定に保持できないため、加工荷重や研磨皿動作の条件が振れてしまうが、技能者は途中レンズの出来栄えを確認してはカン・コツを頼りに調整し仕上げていた。
オリンパスのデジタルものづくりが、その匠のカン・コツを数値化することで、同等の出来栄えの製品を機械化、自動化を実現、完成させることができる。

人材不足・スキル不足

スキル習得が困難(3)

個別社会課題

動力系、機構系、循環系など設備の高度化/高速化に伴い、保全業務がますます複雑になり、一旦停止すると稼働率が大幅に低下する

ソーシャルニーズ

機械設備の寿命や故障を事前に検知する技術・システム

ビジネス事例

状態監視機器+i-BELT(オムロン)

生産設備の動力系統や、循環系統に状態監視機器を取り付け、 IoTサービス基盤であるi-BELT(AI搭載マシンオートメーションコントローラーで、データを収集・分析、活用する)で寿命予知・故障検知を行うシステム。
設備の動力源となる「動力系統」、設備の性能を維持するための「循環系統」、製品を加工するための「機構系統」。それぞれの系統の機器間、メーカー間にデータの統一性や同期性がなく、見える化や予兆把握ができない状態にある。
各系統の監視を状態監視機器で行いi-BELTの仕組みで、リアルタイムにデータを収集、解析することで、故障前に部品の交換時期がわかり、設備の緊急停止や製品の品質異常の予防が図れる。

高齢者の就労機会不足

高齢者のスキル習得機会の不足

個別社会課題

高齢者の習得機会を増やすだけでなく、生徒(高齢者)側の学習意欲を維持させながら、教師側のフィードバック作業を効率化する仕組みがない

ソーシャルニーズ

いつでもどこでもできるオンライン学習で予習し、その学習状況や理解度を踏まえた教師による授業やフィードバックをセットにすることで、個人の学習意欲を確認しつつ、個人に合わせたスキル習得ができるシステム

ビジネス事例

スタディサプリ(リクルート)

小学生~高校生向けのオンライン学習サービス(スタディサプリ)と、教師向けの学習進捗管理サービスを組み合わせ、生徒の学習習熟度に合わせて、オンライン学習や授業を支援するシステム。
どの箇所でつまずいているかが、個人別に明らかになるため、一人ひとりの強み・弱みが把握できて、次に学習すべき内容を自動で推奨する機能や、学習への興味喚起機能など、一人ひとりにあった学びを実現する仕組みが多数ある。
また教師向けのシステムは、スタディサプリでの進捗状況を一括で把握できるツールとなっており、遅れ気味のところを宿題や授業でフォローできる。

高齢者の就労機会不足

能力の低下を補える職場環境の未整備

個別社会課題

職場の環境整備が身体的な支援に留まり、認知機能レベルの変化に対応しておらず、職場環境との不整合が発生している

ソーシャルニーズ

認知機能(脳活動状態)をリアルタイムで可視化する技術・システム

ビジネス事例

携帯型脳活動計測計(NeU)

携帯型脳活動計測装置とは、小型携帯型の脳活動計測機と、脳活動を色や音で表現するデバイスを組み合わせて、脳活動に応じた支援を実現するシステム。
小型携帯型の脳活動計測機で、学習・記憶・注意・予測など最も高度な脳活動を行う背外側前頭前野の状態を計測し、リアルタイムでフィードバックすることができる。
フィードバックの方式により、様々な活動を支援できるが、色や音など他人に分かる形でのフィードバックは、その人の活動レベルの低下で、製品の品質や本人の活動に支障が出る場合などに利用することができる。
携帯電話や、自分自身へのフィードバックは、意識的に脳活動を活性化させようとすることで、記憶や学習能力を向上させることや、ストレス把握などに利用可能。

ページTOP