研究員コラム

2021.01.06矢野 博司

自律社会における課題解決の方向性について

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

今までなら、年越しイベントに参加していましたが、2021年の新年は、一人で過ごしました。皆様はどのように過ごされたのでしょうか?

今年は、withコロナから、ワクチンが開発され、afterコロナへの変化の年になると思います。
コロナ禍による社会変化が進み、顕在化してきた課題をどのように解決していくのかが問われる年になります。このような中で、自立、連携、創造を活かすことのできる自律社会を実現するためには、どのような解決の方向性があるのでしょうか?

一つの方向として、誰が課題を引き受けるかの軸があります。その課題は、社会で解決する方向なのか、個人で解決する方向なのかの軸です。多くの社会が共通して抱える課題であれば、社会で解決すれば良い、個人が抱える課題や個別の対応が必要な課題であれば、個人で解決すれば良いという軸です。

ここで問題となるのは、社会と個人の線引きになります。どのような基準で社会が抱える課題と、個人で抱える課題を分ければよいのでしょうか。
今までは、大量生産・大量消費から、多品種少量生産・個別消費に変化していますが、基本的には、社会の豊かさはモノの消費で語ることができました。社会の豊かさを実現する消費の規模をベースに線引きが可能だったのです。
近年では、モノの機能性だけでなく、その付加価値や象徴性、物語、持続可能性を求め、多様な消費形態にを生み出してきました。つまり社会の豊かさを実現するのは、多様な消費であり、消費の規模だけでは線が引きづらくなってきたのです。
そして、コロナという誰に降り掛かってくるかわからない不確実性が高く、不安な状況の中で、消費が豊かさに繋がりにくく、線引きが困難になってきたのが実情ではないでしょうか。
また同じ課題であったとしても、すべての社会や個人が対応できる力を持っているとも限りませんし、豊かさ/貧しさの状況に応じて、課題に対する対応がかわるのではないかと感じています。

つまり解決を、線を引いてどちらか一方に割り振ることはできないのです。社会と個人の間に企業やコミュニティがあるように、課題解決の方法も、2つに分ける線ではなく、グラデーションのあるゾーンをイメージして、個人、コミュニティ、企業、社会の中で、それぞれが様々な解決方法を有し、解決方法を探索することが、自立、連携、創造を活かすことのできる社会の実現に貢献できると思っています。
他人事としての取り組みではなく、自分事として取り組み、課題の先送りではなく、個人、コミュニティ、企業、社会が、根本的な解決を目指して動く、それこそが自立、連携、創造を活かすことのできる自律社会の実現に至る方向ではないでしょうか。
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